【ケース紹介】
・烏山ネット・わぁ~く・ショップ
・鳥取県ジゲおこしインターネット協議会
山田先生からご紹介頂いた事例紹介の場
ちなみに、
世田谷区烏山では「会に参加した人はだれでもリーダーになれる。自分で見つけた課題を解決するには、自分がリーダーになること」を方針としているグループがあります。
鳥取にはともかく酒を飲もう、をうたい文句にしている会があります。
これらについての事例紹介の初稿を添付します。ご参考まで。
ケース紹介:烏山ネット・わぁ~く・ショップ
「言い出した人がリーダーなんです。」
東京都世田谷区の、烏山ネット・わぁ~く・ショップで世話人を務める福永順彦さんにリーダー像を聞くと、こんな答えが返ってきました。1999年に福祉のまちづくりをうたう条例が制定され、烏山地区でも整備事業が始まりました。その後、この事業をフォローアップし、住民のアイデアをいっそう活かしていくために、烏山ネット・わぁ~く・ショップが組織されたそうです。
駒澤大学グラウンドに面したバス停に車椅子で乗り降りするスペースを作る、上北沢駅の桜並木を復活させるなど、烏山ネット・わぁ~く・ショップは多くの成果を挙げてきました。バス停の場合、拡張したスペースは大学が提供し、停留所の設備や道路の整備は区や都が負担するなど、多くの関係者が協力したそうです。そんなに活発に動くと世話人に負担がかかると思い質問したところ、返ってきた答えが「言い出した人がリーダー」でした。
烏山ネット・わぁ~く・ショップは住民の要望・要求を行政にぶつける場ではなく、言い出した人がリーダーとなり、関心のある人々とチームを作ってまちの課題を解決していくところです。だから「やりやすい、出来ることから行おう」もモットーにしています。
烏山地区に100m超のマンション建設の話が持ち上がったときには、反対派の住民たちが参加してきました。しかし、烏山ネット・わぁ~く・ショップが「主語」になるような活動はしない、意見を交換する場であって課題は自分で解決しなければならない、自分たちの手に余る課題は取り上げないという原則を繰り返し説明したところ、去っていったそうです。
毎月の定例会が活動の場で、参加者はそれぞれ気付いた課題を話します。その中からテーマが決まり、言い出した人がリーダーとなって解決していくというのが、会の進め方です。行政からもOBを含めて参加があり、道路の穴などにはすぐに対応してくれるそうです。常時30人程度が出席し、女性のほうが少し多く、退職者も大勢参加しています。皆でキャンプ場に泊まりに行くこともあるといいます。
この烏山ネット・わぁ~く・ショップから派生して、近くにある都立の芦花公園にトンボ池を作ろうという運動が起きました。これも「言い出した人がリーダー」となって進み、トンボ池は区民の憩いの場になっているそうです。
こうして烏山ネット・わぁ~く・ショップは発展を続けています。
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ケース紹介:鳥取県ジゲおこしインターネット協議会
「米子にはちゃん族がいるんです」と、鳥取県ジゲおこしインターネット協議会の永井伸和さんは話し始めました。商店主などはみんな同じ県立高校の同窓生で、50歳、60歳を過ぎても互いに「ちゃん」付けで呼び合うのだそうです。それが結束を強めるのですが、既存の関係だけが存在する社会構造の中で「知らず知らずのうちに保守的になってしまうんです」と永井さんは話を続けました。
鳥取県ジゲおこしインターネット協議会は、そんな保守性が強い鳥取県の地域(ジゲ)おこしを目指して、1998年に設立されました。県知事や鳥取大学学長、商工会長から若い学生まで、いろいろな層の人々が、人づてにインターネット上のメーリングリストに集まり、今では千名ほどが登録されています。
県庁に出向してきた中央官庁の役人など、県外からの人々も参加し、今では東京でもオフ会が開催できるほどになっています。そんな県外の人をちゃん族の中に受け入れていくために、協議会はどんな工夫をしているのか、小谷寛会長に質問しました。
「オフ会です。酒を飲むうちに仲良くなるようにと、オフ会を頻繁に開きます。会員にはメーリングリストで伝えますが、県外から来た人には個人メールで勧誘します。最初はためらっていた人も、ダイレクトメールには義理を感じるようで、何回目かには出席してくれます。知り合いが次第に増えて、自然に仲間になっていきます。」
「女性の力は偉大です。男だけのオフ会はダメ。老若男女を集めることで場が和やかになっていきます。だから男女比も気にしています。」
「中央官庁からの出向者は数年で東京に戻ります。その後は、私が東京に出かけた際に、オフ会を呼びかけるようにしています。当日午後にメールを流しても、その晩には何人かが集まる。そんな関係ができています。」
有力者から若い人までがメーリングリストに集まっていることも、協議会の活性化に役立っています。県庁に勤める若い職員が疑問を書き込んだら、知事が直接答えたというエピソードもあるそうです。積極的に活動する学生は活動の接着剤になっているとのこと。協議会が関係するイベントでは多くの学生が汗を流してくれます。鳥取砂丘をライトアップして金春流の家元が能を舞う、漁火能を開いたこともあるそうです。